溶接跡を風情として楽しむ茶筒「SUS 50A」(ハタノ製作所)

ウィービング技術による溶接の繊細さを味わう

ハタノ製作所とデザイナーユニットYOCHIYAとの協働開発による手のひらサイズの茶筒「SUS 50A」。

デザイナーからの指摘で気づかされた溶接の焼け色の持つ「和」の雰囲気を活かした一品である。

規格品のステンレスパイプが利用され、重みが手に心地よい。

本体と蓋の筒状部は同じ材を利用し、蓋の内側を切削している。手間はかかるが、同じ材を利用することによる本体と蓋の一体感を重視した。

 

見どころである溶接部は手を小刻みに動かし溶接するウィービングという技術を利用し、繊細に輝く小さな波模様を描く。

「SUS 50A」は、「和」の雰囲気だけでなく、無骨さも持ち合わせている。コーヒーの粉を入れキャンプなどアウトドアで使いたいという声も届いているそうだ。新しい発想で作られた茶筒である。自由な感覚で楽しみたい。

工業製品としては、目を向けられない溶接跡の美しさを活かした製品。町工場からの新たな価値提案である。

 

材質:SUS304(ステンレス) 

技術:TIG溶接

問合せ先:ハタノ製作所( https://hatanoworks.com/ )

この記事の著者

赤田彩乃

赤田彩乃中小企業診断士、健康経営アドバイザー、「ずるいデザイン」講師

大学卒業後,人材紹介の営業担当を経験。その後,まちづくりや建築への関心から,まちづくりコンサルへ転職。自治体を主要顧客としまちづくり,景観・住宅施策,防災に関する計画策定業務に従事する。夫の転勤による退職後は独立し,中小企業支援や新規事業立ち上げ支援等を行う。

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