町工場でも実践可能な動画制作5つのポイント(シーズメディア 鎮目博道)

町工場でも実践可能な動画制作5つのポイント

テレビプロデューサーの鎮目(しずめ)と申します。テレビ朝日・AbemaTVなど30年近くテレビ番組を制作してきました。最近では様々な企業様の動画制作や広報アドバイスなどもさせていただいています。そんな私が本日は、町工場でも簡単に実践可能な動画制作のポイントを5つ皆さんに紹介したいと思います。最近はYouTubeなどを使って情報発信される町工場のみなさんも多いと思いますので、きっとお役に立てると思います。

撮影はスマホでいい。むしろスマホの方がいい

よくみなさん勘違いされがちなのですが、動画を撮影するときにはどんどんスマホを使った方がいいです。最新機種のスマホはとても高画質で、4Kなどの撮影にも対応していたり、ぶっちゃけ市販されているビデオカメラより高性能で使いやすかったりする場合も多いです。外部のマイクを接続するのが難しいので、音声面がやや弱いくらいです。ですから、変にいろんなカメラを使おうとせずに、出来るだけスマホを活用しましょう。その上で、用途によって他のカメラを使い分けます。「ボケあし」というのですが、後ろをボケた感じで美しく撮りたい場合にはミラーレス一眼を使用するとか、固定カメラとしてGoProのようなものを使うとか、場合によってOsmoとかドローンとかその程度で良いと思います。

明るさと手ブレに気をつける

スマホで綺麗に撮るコツは、明るさに気をつけることと、手ブレに気をつけることが最も大切です。「話している人物の顔が明るく写っているか」ということには最も気をつけてください。照明のようなものを使うのも良い方法ですが、YouTuberなどがよく使うLEDリングライトは、あまり近づけすぎると逆に光が当たりすぎてしまい、いわゆる「白飛び」を起こしがちなので要注意です。暗く写ってしまったものを明るく補正することはまだ可能なのですが、白飛びしてしまったものを補正するのは不可能ですから気をつけて!

手ブレを防ぐのに最も有効なのは三脚を使うことです。あまり大きなものは必要ありませんから、長さ20cmとか30cmくらいの、脚が柔らかくて自在に動き、いろいろなところに付けられるものが便利だと思います。撮影する画角が決まっていて、動かす必要がないときには三脚を使いましょう。

ただし、あまり三脚を使いすぎると映像がつまらなくなりますから、手持ちで撮影するのも忘れないでください。手ブレ補正機能も優秀なので、両手でしっかり持って、脇をしめるようにすればそれほどブレません。あとはできるだけ体の正面にスマホを持って、撮影したいものの方向に体ごと動くようにするのが良いです。

 

できるだけ写真をうまく利用する

製品をキレイに撮影するには、実は動画で撮るより写真の方が優れています。機械や製造工程など動きがあるものは動画で撮影した方が良いですが、完成品はキレイに照明を立てて写真で撮影したものを動画に使用したほうが美しく仕上がります。この時のコツは、できるだけ被写体を小さめに撮影して、周りの余白を多く取ること。編集ソフトに取り込んだときに、余白が大きいほうが自在にトリミングできて、ズームイン・ズームアウト・パンなどの動きもつけやすいです。ただし、トリミング前提なので、写真はできるだけ高画質なほうが良いです。あまり低画質なものを拡大して使うと画質の荒れが気になってしまいますから。

 

テロップの色と書体はできるだけ少なく

動画を編集してテロップをつける際にやってしまいがちなのが、できるだけ目立たせようとしていろいろな書体のテロップを使ってしまったり、いろいろな色を混在させてしまうこと。これ、絶対やっちゃいけません。書体が混在するとガチャガチャ混乱した印象になり、ダサくなります。色が多いのも見にくいですし、やはりダサい印象になります。ひとつの動画で、書体はできるだけ1つ、多くても2つにしましょう。色もできるだけ同系色と反対色くらいに収め、2色のバリエーションくらいで収めるのがキレイです。

 

ナレーションはできるだけプロに頼む。音楽は小さめ・控えめに

実は動画の良し悪しのかなりの部分は「音の演出」の出来不出来に左右されます。「話すのが上手な素人さん」にナレーションをお願いしがちですが、実は「話が上手い素人」と「最低ランクのプロのナレーター」の実力には天と地ほどの開きがあります。プロはボイストレーニングなどの訓練を積んでいるので、はるかにレベルが高いのです。できるだけナレーションはプロのナレーターさんに頼むようにしましょう。今はネット上で、プロのナレーターさんに安くお願いできるサービスがたくさんありますからそれを活用しましょう。これだけで驚くほど動画のクオリティが上がります。自分たちが挨拶したり、何かを紹介する場合にはきちんと顔を写して「レポートする」形式で話しかけるようにするのが良いです。町工場のみんなが顔出しで出演する部分と、プロのナレーターがわかりやすく説明する部分をうまく組み合わせると、とても分かりやすい動画作品が完成しますよ。

また、BGMをつける際によくやってしまいがちなのは、「音量を大きくしすぎで、他の音が聞こえなくなってしまう」というミスです。別に音楽を聴かせたくて動画を作るわけではありませんから、BGMは小さめの音量にするよう心がけましょう。また、あまりたくさんBGMを使ったり、いろんな曲を混在させるのも、単に動画を分かりにくく、ダサくするだけですからやめましょう。

 

以上、町工場のみなさんが動画を作るときに簡単に実践可能な5つのポイントをご紹介しました。さらに詳しく「コツ」を知りたい方は、よろしければ私が書いた本を紹介しますので読んでみてください。動画制作の具体的なポイントや考え方のツボを、わかりやすく説明したつもりですので、きっとお役に立つと思います。

 

タイトル:『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』

定価:1870円 著者:鎮目博道 出版社:日本実業出版社

https://www.njg.co.jp/book/9784534058324/

 

また、動画制作・アドバイスの御用命もいつでも受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

公式サイト:https://shizume.themedia.jp

 

この記事の著者

鎮目博道

鎮目博道シーズメディア代表

92年テレビ朝日入社。社会部記者として阪神大震災やオウム真理教関連の取材を手がけた後、スーパーJチャンネル、スーパーモーニング、報道ステーションなどのディレクターを経てプロデューサーに。中国・朝鮮半島取材やアメリカ同時多発テロなどを始め海外取材を多く手がける。また、ABEMAのサービス立ち上げに参画。「AbemaPrime」、「Wの悲喜劇」などの番組を企画・プロデュース。2019年8月に独立し、放送番組のみならず、多メディアで活動。Yahoo!ニュース、夕刊フジ、東洋経済オンラインでメディアについて連載。プレジデントオンライン、週刊新潮などでも執筆。

関連記事

ページ上部へ戻る