手で見る喜びと感動を伝える触図筆ペン「Lapico」

手で見る喜びと感動を伝える触図筆ペン「Lapico」

触図筆ペン「Lapico」


ペン先からスラスラと出てきた蜜ろうのインクは20秒ほどで固まり、描かれた絵は指先でしっかりと感じることができる。

試作設計を得意とする安久工機が開発したのは、蜜ろうで文字や絵を描くことができる触図筆ペン「Lapico(ラピコ)」。
ペン先を押し付ける強さを変えることで線の太さを調節することができ、筆で描いたような自由自在な表現が可能だ。
さらに、紙だけでなく、プラスチックやガラスにも書くことができる上、固まった蜜ろうはヘラなどで削れば繰り返し使うこともできる。機能面に優れ環境にもフレンドリーな一品である。

「Lapico」は線の太さが自由自在で水墨画のような表現もできる。

 

「視覚障害のある子供たちにも絵を描く楽しさを伝えたい。」

触図筆ペンの開発はある盲学校の美術教師の強い思いから始まった。
それまでは専用の下敷きと用紙を使い、ボールペン等で押し付けることで凹凸をつける筆記具を使っていたが、一度書くと消せず、用紙サイズも限られていたことが欠点であった。
美術教師は、大田区の技術力に期待を寄せ大田区を訪ねた。そして町工場のつながりから、安久工機にたどり着いた。
美術教師の強い思いを受けた安久工機は、田中隆社長を中心にその教師とともに開発に取組み、「インクの素材は何が良いか」、「温度はどれくらいが良いか」など、文字通りゼロから試行錯誤を繰り返し、2年をかけて試作品を作り上げた。その間、交わしたメールは数百通にも及んだ。

すべてはこの1枚のポンチ絵から始まった。

現在の触図筆ペン「Lapico」は、ペン先やデザインの改良が重ねられ出来上がった製品だ。子供でも握りやすく、また安全性にも配慮した結果、現在のデザインになった。蜜ろうの色は全15色あり、混ぜることも可能だ。「Lapico」は視覚でも楽しむことができるため、ロービジョンの人も、そして視力に問題がない人も、誰でも楽しむことができる一品である。

触図筆ペンの開発過程。右から左に改良された。

 

「Lapico」が世に出てから、国内外のビジネススクールからの見学も増えた。また、全国の小中学校などから要望を受け、児童や学生向けにワークショップも行っている。「Lapico」を使ったたくさんの人から送られた数多くの感謝の言葉は、事務所の応接にも飾られている。

盲学校の生徒たちの作品

触図筆ペン「Lapico」はこれからもすべての人に絵を描く楽しさを伝えていく。

YouTube:https://youtu.be/sGXDxCd7HAQ

触図筆ペンHP:http://mitsuroupen.jp

この記事の著者

玉木涼太郎

玉木涼太郎中小企業診断士 事業承継アドバイザー

1990年生まれ。埼玉県出身。横浜市立大学卒業後、金融機関にて融資業務・審査業務を通じて中小企業の資金繰り支援に従事。現在は海外関係業務を担当し、各国の中小企業向け金融支援策の調査や国際会議主催準備に携わる。週末は小学生向けにサッカーのコーチを行う。

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