呑めば薄さに驚く 薄さ0.2mmを実現する切削加工技術(株式会社渡辺精機)

難度が高く短納期を求められる試作部品製作に応える精密切削加工技術

時計職人の技術から始まった渡辺精機は、ミクロン単位の高精度切削技術で、加工難度が高く短納期を求められる試作部品製作に強みがある。回転部品などで軸のブレがない、幾何公差までミクロン単位に収める技術は、難度の高い試作対応で長年蓄積してきた知見に支えられている。大手メーカーから厚い信頼を得て、他社では出来ない難しい加工依頼が日々持ち込まれている。

今回ご紹介する「匠の一品」は、切削加工技術をステンレス製のお猪口に応用し、極限まで薄く削った作品である。

 

展示会で多くの来場者の足を止めた驚きの薄さ

ステンレス薄肉お猪口は、展示会で技術力を見せるために製作した。試作部品製作のミクロン単位の高精度切削技術は実感することが難しいが、薄肉のお猪口はその技術力を見て触って体感することが出来る。狙い通り展示会では驚きをもって迎えられ、多くの来場者が足を止めて鑑賞した。

 高精度の上に楽しさを追求した、渡辺精機の技術が光っている製品である。呑めばその感触で再び驚きがある「匠の一品」である。

0.288㎜の薄肉を実現したステンレス製お猪口

 

より薄く削ることも可能だが、お猪口としての強度を保つため0.288mmの薄さにとどめている。先輩社員の指導のもと2021年に入社した若手社員がOJTとして製造を担当した。

 さらなる挑戦として薄肉切削を試みたものが次の金属円筒である。手の力だけで変形する驚きの薄さだ。計測すると0.095mm。これはコピー用紙と同じ薄さである。渡辺精機が持つ技術力が実現する感動の一品だ。



この記事の著者

川崎 悟

川崎 悟合同会社セールス・トータルサポーターズ 認定経営革新等支援機関 代表社員

神奈川県横浜市出身。東京電機大学大学院 機械システム工学科修了。 上場企業のエンジニアから中小企業(水処理機器の商社)の営業マンに転身。「顧客ゼロ・ノウハウゼロ」から新規顧客開拓により売上高3億2000万円(営業所全体の売上高の約70%)を獲得しトップ営業マンになった実績を持つ。現在は、経営コンサルタントとして中小企業を中心とした営業戦略支援、技術営業支援などを行っている。

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