金属切削加工技術を活かした町工場発のオリジナル商品(有限会社ミツミ製作所)

葛飾ブランド認定 こだわりの逸品たち

有限会社ミツミ製作所は先代の開業から数えると100年を超える歴史を持つ金属切削加工を行う葛飾区の町工場である。時代の移り変わりに応じて、様々な業界の顧客からの要求に応え続け、精密な加工がなされた部品を供給してきた。得意とする金属の切削加工に加えて、現社長の山田賢一氏の代では、パートナー企業と様々なオリジナル商品を企画し、こだわりの逸品を販売し、葛飾ブランドにも認定されている。本稿では、同社にとって最初のオリジナル商品である次世代煙管風パイプ「葛飾煙舞」と、地球ゴマを蘇らせた「TOKYOジャイロ」を取り上げる。

 

オリジナル商品の出発点となった次世代煙管風パイプ「葛飾煙舞」

同社の初めてのオリジナル商品は金属製の次世代煙管風パイプ「葛飾煙舞」。Oリング以外、全てのパーツが削り出し。真鍮・ジュラルミンを旋盤で加工し、一つずつバフ研磨で磨き上げ、メッキ・アルマイトの表面処理で美しい光沢を実現。フィルターも付けられ、分解して清掃もできる。下町町工場のこだわりの[最新]と[伝統]を詰めこんだ愛煙家の琴線に触れる「匠の一品」である。本商品の企画開発をきっかけに、同社は様々なオリジナル商品を開発・製品化し、町工場発の個性的な商品を世に送り出してきた。

葛飾煙舞

地球ゴマを蘇らせた「TOKYOジャイロ」

「TOKYOジャイロ」はパートナーであるヨーヨーショップのスピンギア、NSKマイクロプレシジョン株式会社との共同企画商品。本体を構成するパーツのほとんどを旋盤で削り出して製作する、こだわりが詰まった「匠の一品」である。古くから科学玩具として親しまれ、学校に必ずあった地球ゴマを蘇らせた。古くからあるジャイロは軸が回転するのに対し、「TOKYOジャイロ」は軸を回転させないことにより、より長い時間ジャイロ効果を維持することに成功した。コツをつかめば20分以上回転させ続けることができる。

TOKYOジャイロ

同社は先代から続けてきた金属切削加工に加え、様々なオリジナル商品をパートナー企業と企画・開発をして販売する。「町工場発」の高い技術力とブランド力を強みに、これからも独自の商品を開発して、こだわりがあるユーザーへ逸品を届け続けていくだろう。

この記事の著者

鈴木俊治

鈴木俊治中小企業診断士

2022年中小企業診断士登録。埼玉県中小企業診断協会所属。早稲田大学法学部卒業後、鉄鋼メーカーにて海外営業等を経験。現在は医療機器メーカーでマーケティング職に従事するとともに、企業内診断士として支援活動を行なっている。

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