社員一人一人の人生が豊かになるように ~地域と社員と会社が一緒に成長する組織へ~(株式会社トミテック インタビュー①)

足立区の地で育む確かな“技術力”

株式会社トミテックは、創業65年の実績を基に培った知識・知恵・技術を活かし、板ばねなどの高品質な精密プレス部品を試作から加工・最終工程まで自社一貫体制でお客様に提供している企業です。1959年に創業し、顧客ニーズや時代の要請に合わせた経営を行う一方で、足立区主催のワークショップへの継続的な参加、NPOや小学校主催の職業体験受け入れなどの地域貢献活動も積極的に実施し、日本の製造業と地域(足立区)を支えています。さらに、将来のスムーズな事業承継を見据え、新たな社内体制の構築にも取り組んでおり、今後、一層の躍進が期待される企業です。第一回は会社の事業内容や歴史、強みなどについて専務取締役尾頭孝幸氏にお話を伺いました。

株式会社トミテック 代表取締役 尾頭 美恵子氏(左) 専務取締役 尾頭 孝幸氏(右)

足立区で出来ることを

1959年に創業され、60年以上の歴史を持つ貴社の沿革と事業内容について教えていただけますか。

尾頭孝幸氏(以下、尾頭氏):弊社は1959年に、現社長の父である富岡正一氏が浅草に創業しました。その後、足立区に移転しました。現在は本社工場に最大110tのプレス機をはじめとした18台のプレス機を備え、様々な形状の金属プレス加工を行っています。金属プレス加工とは、ステンレスなどの一枚の金属板材を金型に挟み、強い力をかけて3D形状の製品に加工する技術です。弊社では、自動車部品や建築関連の部品などを金属プレス加工製品として生産しています。

 

足立区の本社工場に会社機能を集約されているのですね。

そうですね。令和3年までは物流センターが足立区青井にありましたが、現在は足立区六町の本社工場に会社機能を集約しています。本社工場は3階建てで、1階では順送プレス加工、2階では複雑な形状の単発プレス加工や金型製作、梱包、3階では工程内検査や出荷検査を行っています。世の中には300tを超えるプレス機もありますが、足立区という地域でプレス加工を行うには最大110tプレス機の規模が最適だと考えています。

 

高品質を維持する仕組み

製品の品質が高く評価されていますが、どのように品質管理をしているのでしょうか。

安定した品質の製品をお客様に提供でき、お客様からの高い評価がトミテックの強みの一つです。材料受け入れから出荷までの工程で、照合検査や工程内検査、出荷検査などさまざまな検査を行い、不良品を次の工程に流さないようにしています。2次加工後の製品についても受け入れ検査を行っており、不良品が発生した場合はどの工程で発生したかをすぐに特定できます。安定した品質の製品を提供し続けることで、外部からの評価が高まり、高度な技術が要求される難しい仕事も受注できるようになりました。

 

高品質を維持するための体制を教えてください。

社内基準をクリアした社員のみが検査を実施し、専務をトップとする品質管理体制の構築などの取り組みを行っています。例えば、社内基準をクリアした社員のみが検査を実施したり、現場レベルで加工と同時に細かく品質検査を実施したりしております。

ISO9001の取得はしていませんが、ISO規格に準拠した取り組みを実施しており、品質の要求が高い大手メーカーや企業からも高評価を受けることで、長年に渡り継続的に受注することができています。

順送プレスを行う自動プレスライン

 

大手企業との取引が多いのですね。

そうですね、以前から大手企業との取引がありました。リーマンショック前は特に、ある大手企業に依存していた時期もありましたが、その企業が海外に生産を移管することになり、売り上げが減少する可能性があったため、新たな顧客を開拓する方針に転向しました。現在では、売り上げ上位20社が全体売り上げの70%を占めている状況で、製品についても自動車関連が6割、弱電関連が2割、建築関連が1割となるように売り上げの分散を図っています。

 

新規のお客様はどのようにして獲得されたのでしょうか?

主に既存のお客様からの紹介が多いです。また、展示会に参加してトミテックを知ってもらい、受注につながることもあります。最近は同業他社の廃業も増えており、元々他社のお客様だった企業が、加工委託先が廃業したことをきっかけに、弊社が新規のお客様を獲得する機会も増えています。

 

様々なお客様に対応できる体制をとられているんですね。

はい、大型プレス機に加えて単発プレス機も所有することで、多品種小ロットの受注にも対応できる体制を整えています。また、弊社の強みは“技術力”ですので、お客様からお困り事の相談を受けた場合でも、営業担当者と技術担当者が連携して技術的な提案を行い、実際に受注につなげていることもあります。

また、設計図が無くても金型さえあれば、さらに言えば最悪、現物品さえあれば、弊社の“技術力”を駆使して製品を再現することができます。過去に加工委託先が廃業して現物品しか情報がないお客様が相談に来られたことがあるのですが、トミテックが持つノウハウを駆使して製品の材質や形状の把握、最終工程の種類の検証、図面作成を経て、その後無事に製品化した実例もあります。

 

高度な“技術力”はお客様にとっても心強い存在ですね。

金型製作から加工・最終工程まで自社一貫体制をとり、弊社で出来ることは可能な限り実施することで短納期・高品質・トータルコストの削減を実現し、弊社が出来るだけお客様から選ばれるようにしています。

株式会社トミテックが加工を手掛けた 板ばね製品

 


業種   精密プレス部品・精密金型製作

設立年月          1967年12月(1959年4月創業)

資本金              10,000,000円

従業員数          20人

代表者              尾頭美恵子

本社所在地      〒121-0732 東京都足立区六町4丁目12番15号

電話番号          03-5686-1300

公式HP           https://www.tomitech.co.jp

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