- 2021-8-19
- ものづくり営業・販売促進
ホームページ制作業者の選び方
「ホームページをリニューアルした方が良い」という電話がかかってきた
「御社のホームページはセキュリティ対策がされていないようでご案内のご連絡を差し上げました。このままだと危険です。御社のお客様にも迷惑をかける可能性もあるので、リニューアルをお勧めします。」といった類の営業電話を受けたことのある方は多くいらっしゃると思います。「詳細をご説明に伺います」と言われて営業担当の訪問を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このような営業電話を受けてホームページの制作を依頼した方のお話を伺うと、大抵「期待したようなホームページを作ってもらえなかった」「更新はいつでも無料と言われていたのに、実際は何もしてくれない」「新規顧客を増やすことができると聞いていたが、ホームページを見たというお客様は全く来ない」「5年間のリースと言われて毎月費用を払っているが、適正な価格か疑わしい」といったお声が上がります。
多くの事業者に電話営業をする制作業者は、営業部分にコストを割くため、依頼者が払うコストに相対して成果物のクオリティが下がる傾向があります。評判の良い制作業者は良い製品(この場合はホームページ)を作ること自体で営業活動になりますので、やみくもに営業電話をする必要はないのです
では、身近にホームページ制作をしてくれる人がいない場合は、どうやって自社に合った制作業者を探せばよいのでしょうか。
初めの一歩は「目的の明確化」
ホームページを作るときに最初にしていただきたいのは「何のためにホームページを作るのか」という目的の明確化です。「誰に」「何を」伝えるためにホームページを作るのか。例えば、できるだけ沢山の人の目に触れ問い合わせや来店を増やしたい場合と、展示会などで名刺交換をした見込み客にホームページを裏付けとして見てもらうことで信頼を得たいという場合では、作るべきホームページは全く異なります。「誰に」「何を」伝えたいかは、同じ業種でも一緒とは限りません。ホームページ制作を依頼する方の多くが「普通のホームページで良いのです」とおっしゃるのですが、それでは制作業者も何を大切にデザインやサイトを構成すれば良いか理解しにくいのです。ぜひ「誰に」「何を伝えたいか」を具体的に説明できるように整理しておきましょう。
ホームページ制作業者と話をする前に、同業他社を含め他社のホームページを見ることが助けになる場合もあります。その際は、内容や色・デザイン・文章などの細かいところに注目するのではなく、第三者として眺めた時に、そのホームページ全体からどのようなイメージやメッセージを受けるかを感じ取ってください。そこで良い印象を受けたホームページとその理由を列記して、製作業者への相談の際に伝えると良いでしょう。
※ホームページ作成の目的を明確化することについては、別のコラムにも詳細がありますので参考になさってください。
ホームページを受注に生かす3つのポイント(株式会社フラットコード 阿部 義広)
同業他社などに紹介を依頼する
ホームページを作る目的が明確化できたら制作業者を探します。おすすめの方法は、良いホームページを作っている他社にその制作業者の紹介を依頼することです。もしも周囲に適切な紹介者が見つからない場合は、所属する商工会・商工会議所などに紹介をお願いするのも良いでしょう。ホームページの制作は、オーダーメイドの家を建てることにも似ています。信頼できる業者は信頼できる人からの紹介で見つけるのが一番です。
複数の制作業者に見積もりを依頼する
さらに大切なのは、複数の制作業者と話をし、見積もりを依頼することです。特に紹介となると「相見積もりをとる」ということを躊躇する方もおられるかもしれませんが、ホームページは基本的にオーダーで制作するため相性があります。相性の合わないもの同士での仕事は制作する側にとっても難しいものです。それを避けるためにも、ぜひ複数の制作業者から最も相性良いところを選んでください。
また、見積もりの内容もよく精査し、わからないことはどんどん質問しましょう。例えば「1ページあたり 1万円」という見積もりが異なる二社から上がってきたとしても「1ページ」の作成内容に何を含むのかは各業者により異なります。A社はヒアリング内容から文章の書き起こしまで含んでいるが、B社ではページ内の原稿はすべて依頼者で作成することを前提としている、といったこともあり得ます。また、「写真撮影」の単価がA社とB社で大きく異なったとしても、写真のクオリティや撮影条件が異なるのであれば、単価が高いだけで「割高」だとは言い切れないのです。総額や各項目の価格だけに注目するのではなく、その価格に何が含まれているかをよく理解してから判断することが大切です。
納品後の管理やそのコストについても確認しましょう。ホームページは概ね5年ほどでリニューアルが必要となります。昨今のWebに関わる技術の複雑化に伴い、その間にもプロによるメンテナンスが必要になる可能性は高いです。納品後、どのようなサポートがどのくらいの費用で受けられるのかも判断材料の一つとしてください。
最終的な選定
同じオーダーをしても制作業者によって作り上げるホームページは異なります。制作業者にとって、依頼者の要望を理解しそこからイメージする完成像を制作前に依頼者に伝えることは難しいことですが、その努力をしてくれる制作業者を見つけましょう。そのためには見積もり内容や仕上がりイメージについて、契約前に丁寧に説明してくれる事業者を選ぶことが重要です。
予算や納期ももちろん大切ですが、そこにこだわりすぎて納得のいかないホームページが出来上がってしまっては本末転倒です。自社のホームページ制作の目的を明確に伝えたうえで、「この業者になら任せても大丈夫」「この業者なら制作目的を理解し、適切に表現してくれる」、そう実感できる制作業者を見つけることが大切なのです。