ホームページを受注に生かす3つのポイント(株式会社フラットコード 阿部 義広)

ホームページを受注に生かす3つのポイント

このコラムでは、主に製造業の中小企業をイメージして、従来はあまりホームページに力を入れてこなかった企業が、ホームページを受注に生かすためにどのようなことを取り組んでいけばいいのか、その考え方と実践方法をお伝えします。

特に最近では、コロナ禍の影響で対面営業のハードルが高くなり、インターネットを活用してオンラインセールスを行う機会も増えてきました。また発注側にとっても、ネット検索から、新しい発注先を探すケースは今後も増えていくはずです。このような現状を踏まえ、「経営に活かすホームページ」という視点で解説していきます。

 

基本となる考え方

広告などを打ってアクセス数を集める前に、まずは何はともあれ自社のホームページの質を高めることが重要です。具体的には改善・更新して最新の形にすることです。ここで「自社の」と明記した理由として、自社のホームページ以外に、他社のホームページに自社の情報を掲載し、そちらをメインに活用している例も多いからです。ここでいう「他社の」ホームページとは、一括見積りサイトや、製造業だけ集めたポータルサイト、業界団体のホームページなどいろいろありますが、すなわち運営者が社外であるホームページのことです。これらの他社ホームページはアクセス数が多く集客力があるケースも多いので、活用すること自体は悪いことではありません。

しかしながら、他社ホームページには、競合企業の情報もアクセスしやすい形で掲載されていることが多く、簡単に比較されてしまいます。また、詳しい情報を求めて他社ホームページから自社ホームページにアクセスした際に、長らく更新が途絶えていたらどうでしょうか。おそらくがっかりして離脱してしまい、競合企業のホームページへと移ってしまうことは容易に想像できます。

また、他社ホームページでは競合企業の広告が目立つところに表示されたり、突然サービスが終了するリスクなどもあります。そのため自社で管理可能な自社ホームページの改善に努めることが肝心です。

 

具体的な改善のプロセス

自社ホームページを改善していくにあたって、ふさわしいプロセスがあります。

次の図の下から順番に行っていくことが重要です。

 

信頼感・安心感を与える

ホームページに限った話ではありませんが、自社のPRをする際に重要なことは、まず安心感・信頼感を与えるということです。

我々のことを知らないお客様にとってみては、大切な仕事を依頼しても大丈夫な会社なのか、まずは確認したいところでしょう。そのため初対面のお客様が不安に思うところを、ホームページを通して、払拭していくことが必要です。

では、不安感を払拭するために、どのような情報をホームページで発信すれば良いのでしょうか。その答えは我々自身が仕事を発注するときに、どのようなことがホームページに書かれてあれば安心して問い合わせをすることができるのか、自ら振りかえった際に見えてくると思います。

例えば、製造業であれば生産設備はどうなのか、会社の生い立ち、社長はどのような人でどんな思いで経営しているのか、品質や納品後のサポートはどうなのか…、このようなことが明確に書かれていなければ、どんな技術的に立派なことが書いてあっても、全く知らない会社には問い合わせに、ためらってしまいます。

そのようなことを考えると、次のような情報が必須であることが分かります。

  • 代表メッセージ(プロフィール紹介含む)
  • 沿革
  • 理念ビジョン
  • 品質・サポートについて
  • 生産設備の紹介
  • 持っている技術
  • 第三者による認証(お客様の声、取得特許、表彰等)

要は登記簿謄本に載っている基本情報だけではなく、さらに深い情報です。上記を含めて、お客様の信頼感・安心感につながる情報は何かということを考えると、さまざまな情報が見つかります。そこで上がってきた情報を積極的に公開することをお勧めします。なお一つだけ注意事項として、クライアントの社名や製品に関しては公開できないケースも多いので、必ず掲載許可を得ることが重要です。

自社ならではの強みを伝える

安心感と信頼感を十分に伝えたら、次は競合との差別化ポイントを伝えましょう。この程度の情報は当たり前だと思うようなことであっても、意外に同業他社の中で際立っていることがあるかもしれません。

ここで質問としてよくいただく内容として、「メインとする技術や製品サービスの内容にそれほど差がないような場合は何を書けば良いのか」があります。

それほど競争力がないような場合であっても、改めてメインとする製品やサービスの周辺を振り返ってみると、例えば

  • 仕様自体をお客さんと一緒に考えることのできる経験豊かな技術者がいる
  • 社長はその業界のたたき上げで、現場のことを知り尽くしている
  • 配送にあたって、他社ではやっていないような安全な梱包をしている
  • 都内にあるのでお客様が簡単に見学に来ることができる
  • アフターサービスについて、他社では通常一年に一度の定期チェックを、半年に一度行っている

のように、に他社との違いを発見できるのではないでしょうか。

 

わかりやすい問い合わせ手段を提示し、問い合わせにつなげる

ホームページに訪問したお客様が、いざ問い合わせるときに、その状況に応じてメールや電話など連絡手段を使い分けるのは自然なことです。

いまだとZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツールのニーズもあるでしょう。

しかしホームページで電話番号をわかりやすく表示している例は、意外に多くはありません。

今すぐ製品やサービスを求めているお客様こそ、電話を多用する傾向があります。そのため、問い合わせページだけではなく、各ページの上部(ヘッダー部)や、下部(フッター部)にも、電話番号を明記することが重要です。

また問い合わせフォームの入力項目をあまりにも多くしている例が見受けられます。お客様からの問い合わせのハードルを高くしてしまうことにつながるので、できるだけ最小限にするように心がけましょう。

以上の内容は基本的なことばかりですが、この機会にぜひ皆様のホームページを振り返ってみてください。

この記事の著者

阿部義広

阿部義広株式会社フラットコード 代表取締役

ホームページ制作を軸に、SNS・インターネット広告・人材採用など企業のwebマーケティングを広くサポート。コンサルティングから制作・運用サポートまで一気通貫で行い、中小企業・上場企業・地方自治体まで幅広い実績を持つ。 「お客様の製品・サービスを、デジタル活用を通して市場へ強くPRするマーケティングおよび広報支援」をミッションとする。 東京都立大学を卒業後、清水建設に入社。90年代後半から同社ホームページ制作運営に携わる。その後、web系企業を経て2006年株式会社フラットコードを創業。 東京商工会議所主催のセミナー講師や川崎市産業振興財団のコーディネータなども歴任。

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