キレイさと正確さを追求したアクリル可視化加工技術(有限会社岸本工業)

研究機関の実験装置でも採用される精密な可視化加工技術

プラスチック精密加工を生業に1980年に創業した岸本工業は、プラスチックのフルフラット加工技術や、アクリル等の透明素材を高透明切削する可視化加工技術に強みがある。樹脂を±0.03㎜以内の精度で加工できるフルフラット加工技術と透明度の高い切削技術を併せ持つことで、装置の精密さと中身の可視性が必要な研究機関や装置メーカーにも支持され、実験装置の製作にも携わっている。

今回ご紹介する「匠の一品」は、これら技術を凝縮させたDMG森精機・第15回切削加工ドリームコンテストへの出品作品「transparent sommelier(トランスペアレント ソムリエ)」である。日本有数の大企業と肩を並べて試作・テスト加工部品部門で2020年に銅賞を受賞した作品である。

大企業と肩を並べた切削加工ドリームコンテストでの受賞

第15回切削加工ドリームコンテスト出品作品:transparent sommelier(トランスペアレント ソムリエ)

 

 「transparent sommelier(トランスペアレント ソムリエ)」は、もともとは4段階の透明度を再現し、発注者の求める透明度レベルを確認するツールとして製作したものであったが、本作品は自社の高透明切削が実現する透明度の高さを表現するために、4つのブロックを全て高透明度で製作した。一口に「透明」といっても求めるレベルは人の主観に依るところがあるが、岸本工業ではヒアリングやサンプルを見せることで発注者が求める「透明度」をすり合わせて製作している。

波状の切り口は自由曲面を表現している。可視化加工の分野では珍しい3次元切削加工技術によるものであるが、本技術によりこのような意匠性の高い部品も製作可能となっている。

 透明さは磨きではなく切削加工によるものであるため、寸法精度が高く3次元加工であってもブロックごとにフィットしている。キレイさだけでなく、正確さを追求した、岸本工業の技術が凝縮された「匠の一品」である。


会社名 有限会社岸本工業

業種   プラスチック精密加工、アクリル等透明性樹脂の可視化加工等

設立年月          1980年1月創業

資本金              15,000千円

従業員数          13人

代表者              岸本 哲三

本社所在地      東京都大田区西六郷4-18-8

電話番号          03-5703-8171

公式HP           https://kishimotokogyo.co.jp

この記事の著者

地引智美

地引智美中小企業診断士

神奈川県出身。一橋大学卒業後、IT企業に入社。入社後は大手企業様向け法人営業に従事し、現在は自社の部門経営スタッフとして事業戦略策定や施策実行に携わる。 社外の活動として、中小企業診断士としての研究会活動、取材・執筆及び中小企業の事業計画書作成支援や、幸せ視点の事業・組織づくりを志す「hintゼミ」の運営サポーターにも携わっている。

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