サイズ・形状・機能性・耐久性の厳しい要求を具現化した製品(株式会社志村精機製作所)

サイズ・形状・機能性・耐久性の厳しい要求を具現化した製品

極小ハサミはサイズが10mmで材料はアルミ、極小竹とんぼはサイズが7mmで材料はステンレスである。志村精機製作所の誇る切削加工と微細加工の技術力を訴求するため、社長自らが切削加工のみで作り上げた一品である。

紙を切ることができる極小ハサミ

 

微細加工を行う場合、どこをクランプすれば良いかが肝になる。これほど小さく複雑な形状の加工物をしっかりと押さえるノウハウは志村精機製作所ならではと言える。また、同製品には治具を使用していない。製造現場を見た他社の技術者や中途採用者は、口を揃えて「こんなやり方があるのか」と驚く。決してセオリーとは言えないマシニングだけで作り上げる手法は、固定観念に囚われないクリエイティブで柔軟な考えに基づく志村精機製作所ならではと言える。

飛ばすことができる極小竹とんぼ

 

 志村精機製作所の技術力を訴求

ハサミとして紙を切ったり、竹とんぼとして飛ばしたりできるような機能性・耐久性を兼ね備えた同製品は、極小さと複雑形状を可能とした優れた加工技術によって実現されており、その加工技術を有する会社は決して多くない。次回の展示会では、この2つの製品により、同社の微細加工技術力を訴求していく予定である。もちろん海外での展示会でも活躍してくれると期待を寄せている。

 

他人の技術を学ぶ場となる

志村精機製作所には、加工難度の高い微細加工をマシニングだけで実現できる熟練工が3名いる。この3名が、微細加工を手掛けるとすれば、全員が異なる材料の形状・クランプの場所を選択するそうだ。これは微細加工には、創造性が要求されるということを裏付けている。同社では、加工方法を決定する際に、技術者が集まりレビューと意見交換を実施しており、他人の考えやノウハウを吸収できる良い機会となっている。この取り組みを何度も繰り返すことで、組織としての技術力を底上げしているのだろう。

この記事の著者

松永俊樹

松永俊樹中小企業診断士

システム開発会社にて、システムアーキテクトとして経験を積む。 現在は、中小企業と接する機会を求めて、事業再構築補助金やものづくり補助金を中心とした事業計画書作成支援に注力している。

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