複合旋盤による精密切削加工技術から生まれた部品製品(富士精器株式会社)

難削材を削り出し、複雑で寸法精度の高さを要求される部品

目黒区碑文谷に本社・工場を構える富士精器株式会社は、複合5軸NC旋盤やマシニングセンターを使用した金属精密切削加工による、OEM精密機械部品のメーカーです。φ100という大きいバー材からの複雑な連続加工が得意で、チタン、ステンレス、アルミ、鉄、真鍮と、多種多様な難削材を削り出し製品化する技術を有しています。加工された部品は、鉄道・船舶・ポンプ機器・医療・建築・半導体・産業用ロボットなど、幅広い業界の機械に使用されています。

また、品質第一の考えで品質保証と品質管理に専任担当者を設け、自動車部品の製作で培った品質管理手法を用いて、数百~数千個の製品品質を、試作品と同じレベルに維持できる寸法精度の高さを誇ります。

「モノづくりは人づくりから」を行動指針に、少数精鋭で創業約90年の間お客様から絶大な信用を得ています。

今回は、そんな同社が持つ技術を駆使してできた、匠の一品となる部品を紹介します。

技術が詰まった、複合旋盤による連続切削加工の部品

匠の一品 SUS316L φ40 薄肉筒加工t0.3

これは半導体部品の装置の吐出ノズルです。この細い筒状の部分から流体物などが出ます。

下の部分が材料で、上の部分が今回の部品です。

複合5軸NC旋盤で、長い棒材から連続切削加工をしてから最後に切り落としています。特に、筒の部分は厚さが0.3ミリ程と薄く、この部分を作り出すのが技術的に難しいです。わずかなズレでも機械の性能に影響が出るため、要求される寸法精度については、外径も内径も大変公差が厳しいですが、それに応え続けることで、お客さんからご好評いただいております。
この部品の材質はSUS316Lというステンレスの難削材です。耐熱性や耐食性、機械加工性が高く、医療や食品、化学、半導体などの衛生的な環境が求められる用途などで使用されています。

横に寝かせた状態の匠の一品 

 

この記事の著者

矢野達也

矢野達也中小企業診断士

東京都中小企業診断士協会所属。食品製造業での商品企画やマーケティング実務を約20年経験。中小企業の新商品開発やブランディング、6次産業化のプロジェクトを、立ち上げから育成・定着まで幅広くサポート。マーケティングや人材育成等に関する研修講師の実績も豊富。

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