複雑な加工もこなすレーザー加工技術(有限会社尾熊シャーリング)

厚物や複雑な加工にも対応できるレーザー加工技術

厚物、長尺物の加工を得意とし、長年にわたり支持されてきた尾熊シャーリング。レーザー加工機の導入により、ただ「切る、曲げる」だけでなく、より複雑な加工にも対応できるようになった。レーザー加工機による高度で繊細な加工技術は、現在では140社もの取引先を有する同社の競争力の源泉となっている。ここでは、レーザー加工技術の高さを示す製品を紹介する。

左は、25mmの鉄板を同社のロゴの形に加工した作品である。厚物の板を、小さなものにも加工できることを証明する一品である。ステンレスやアルミでも同様にロゴの加工品を作成し、同社ホームページに掲載する予定である。

一方、右は小物を入れる容器。この製品は、同社が展示会に出展した際に、来場者の目を惹く一品として作ったものである。非常に細かいデザインが施されており、美しい仕上がりの一品である。

長尺物を得意とする同社だが、このような小さな製品の加工にも対応している。

ロゴ加工品と小物入れ

 

強みを創出するファイバーレーザー加工機

これらの加工を実現するのが、同社の持つファイバーレーザー加工機である。大型の加工機で、大田区内でもこれだけ大きな機械を導入している会社は、少なくともこの界隈では同社だけである。小型の加工だけでなく、厚物、長尺物の加工にも対応できる。ステンレス、アルミなら厚さ20mmまでの加工が可能で、同社のロゴを型どった作品は厚さ25mmの鉄板を加工したものである。

事務所に設置されているCADで作成した詳細な加工形状のデータがレーザー加工機に取り込まれ、データの指示通りに加工が始まる。この加工機で、単品の加工から量産品まで、また短納期にも対応している。現在の加工機は2代目で、4年前に導入したものであるが、先を見据えてより先進的な加工機に置き換え、生産力の向上を図っている。

厚物、長尺物にも対応できるファイバーレーザー加工機

 

生産力の向上を追求する

レーザー加工機の導入以降、より複雑な加工にも対応することが可能となり、付加価値の高い製品を生み出している同社。取引先のほとんどは、同社所在の大田区に集中する。大田区の場合、一貫生産をする工場よりも、それぞれの得意分野に特化している工場が多い。そういった意味では、工場同士のつながりが重要になる。決して競合ではなく、共に成長していく存在である。常に先を見ながら設備の更新を行い生産力の向上を追い求める同社は、この先も大田区だけでなく、日本のものづくりにとっても必要とされ続けることだろう。

この記事の著者

浜田健嗣

浜田健嗣

2021年中小企業診断士登録。大学卒業後,鉄道会社に入社。主に経理・財務を担当し,再開発事業やショッピングセンターの運営にも携わる。「○○で地域を元気に」をモットーに活動中。

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