- 2024-2-27
- 匠
最大寸法1000mm×1000mm GFRPサンプルで販路拡大
堤工業株式会社は「プラスチック加工の専門家」として、80年近くもの間、プラスチック加工のノウハウを積み重ね、またお客様の要望に応えながら様々な素材を取り扱ってきた。現社長の栗原良一氏が展示会向けに開発・製作された「匠の一品」を取り上げる。
GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を加工した1000mm×1000mmの加工サンプルである。本サンプルは展示会への出展を目的とし、社内の大型加工設備を使用して製作している。GFRPは近年、軽量化や絶縁性の面で金属より優れ、様々な産業用途での使用が拡大しており、広く産業界で注目を集めている。本サンプルは材料面からも加工難易度が高く、また、1000×1000mmと非常に大きい。これだけの大きさを手掛けることができる会社は少なく、同社の技術力の高さを示している。
展示会に向けて社内で一致団結し、目玉サンプルを製作
これまで神奈川県のテクニカルショウヨコハマや東京都の新価値創造展へ出展し、展示会を活用した販路拡大を実施してきた。来場者の目を惹くオリジナルサンプルを製作しようと考え、誕生したのが1000mm×1000mmのGFRPサンプルである。
展示会用サンプルの製作にあたり、現場作業者には負担をかけた。作業で忙しい日々の業務と並行して、同社の高い技術力が一目瞭然となるサンプル製作のために、社内で一致団結して取り組み完成させた。
展示会やホームページをきっかけとして、GFRPの仕事や問い合わせを受けることもあり、このような特殊な素材を取り扱えることで信用を得て、一般的なプラスチック素材の仕事を任されることもある。堤工業では1000mm×1000mmの大物加工や、板厚0.1mmの薄物加工も得意としている。今後はこうした特殊材料が用いられる産業分野への本格進出も検討しており、さらに技術を磨き、新しい分野でもお客様の要望に応えられる製品提供を目指している。
製品の軽量化や強靭化、プラスチック製品のコストダウンなど幅広い要望に応えられる、確かな技術と実績がある同社も、足元の市況感は厳しく、どんどん新しい分野へ進出していかなければならない。何か新しいことを自社から発信していかなければならない。そんな栗原社長の思いと、堤工業の樹脂加工技術が詰まったGFRP加工サンプルである。