- 2025-9-16
- 取材・インタビュー
創業80年に向けて
まったく質の異なる3つの事業が主力をなすファブレス企業の久保金属。いかにして現在のユニークな立ち位置を築いたのか。第2回目は、創業以来の歴史に培われた「考える」力という会社のDNAについて久保社長に語ってもらった。第3回目は、来年80周年を迎える会社の未来について伺った。
求む。“欲しい”と技術のマッチング人材
いま会社の課題は何だとお考えですか?
久保氏:短期的には資金繰り、中長期的には人材です。コロナ禍での資金の返済も始まり、その影響を受けているのは事実です。売上が上がると仕入れも増えます。その支払い資金なども銀行とうまくコミュニケーションを取りつつ進めることが重要です。
人材獲得は苦労しています。転職エージェントを使いましたがうまくいかない。お金で来た人はお金で出て行きます。例えば、でき上った商品を売りますっていうだけなら分かりやすいですが、当社が求める人材は、人が想像したり漠然と考えていることを聞いて図面にして形にしていける人。交渉という要素も入ってくるのでやる気だけじゃできないみたいで…。

人材について熱く語る久保祐一社長
女性比率が高いですね。
久保氏:社員10人中、女性が7人です。男女年齢関係なく公平な扱いをしているつもりです。仕事は本人の興味や志向を活かして活動してもらいたいと考えています。だから最近は、「これをやれ」ではなく、「何ができる?」という聞き方に変わってきていますね。
ちょうど今日は、従業員自らが何をやるか、1年後、2年後までどういうことをやっていくかを発表する日なんです。それをやらせてみようかなと思っています。特にコロナが明けてから図面相談が増えてきて、それを機に自分のやりたいことをやって成功体験を増やして欲しいと思っています。
それでSTEIN事業では海外青年協力隊出身の女性を採用された?
久保氏:STEINの場合はモチベーションの高い人が多いですね。例えば土壌硬化剤は、行くのがカンボジアでも首都のプノンペンではなく、実際に行くのは僻地です。僻地に行ける人なんてなかなかいないんですよ。大体怖いとか汚いとかが先に立つ。それを感性で乗り越えて行っちゃう人が欲しかった。

「久保金属を知ってもらうことは大切」。応接室の壁に掛かる数々の表彰状が技術力の高さを物語る
話は変わりますが、この前会った若い人が言っていました。「大手商社や有名企業に行きたい人ばかりじゃないんですよ」と。本当に自分のやりたいことをやりたい人がいる。そういう夢を追っているような若者がいる。挑戦をし続ける経営者がロケット会社をやっている。あれは募集しなくても「俺やりたいんだ」と人が入ってくる。普通ならロケットを作るには大手の重工業に入らなきゃいけない。だけどここならできると言って入ってくる。そんな人材が理想ですね。だから久保金属を知ってもらう活動は非常に大事だと思っています。
来年は創業80年。「考える」DNAの継承へ
来年が80周年ですね。
久保氏:そうなんです。卒業した先輩たちとこじんまりとした食事会とかやって先輩たちの話を聴いてもらうのもいいかな、と。男女関係なく若い人たちが、歴史を知るってすごく大事だと思います。もしかすると今の職員が先輩にインタビューしに行ってもいいかなって思いますね。

従業員の「考える」DNAが久保金属の技術を支え続ける
若い人たちには久保金属の「イズム」を受け継いでほしいですね。
久保氏:もちろんそうです。当社はマーケティング調査にかけられるお金も人員も限られているので、お客様と現場で擦り合わせながら出てくるアイデアや技術だとか、そういう「考える」ことを大事にしていきたいと思っています。人と人が出会って、その場で考えたことを形にして、それを仕組みや部品、商品にしていく、そういうやり方でいいかなと思っています。
今でもやっぱり久保さん、久保さんって問い合わせがあります。そういうお客様からの“欲しい”がある限り挑戦し続けたいと思います。
会社名 久保金属株式会社
業種 精密製品製造ほか
設立年月 昭和21年11月9日
資本金 1,960万円
従業員数 10人
代表者 久保祐一
本社所在地 東京都杉並区下高井戸4-5-5
電話番号 03-6304-6130
公式HP http://www.kubo-kinzoku.com/












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