町工場が活用しやすい補助金・助成金(3Willsコンサルティング 徳田進)

町工場が活用しやすい補助金・助成金

うちも補助金を使ってみたいが、どんな補助金が自社にあっているのか?よくわからない町工場の経営者の方も多いことと思います。補助金には、それぞれ目的があり、その目的・内容・時期等にマッチしないと申請してもまず採択されることはありません。それでは、補助金・助成金はどのような種類があるのか?国や東京都等から多種多様な補助金や助成金の情報が展開されており、実際に調べるだけでも骨がおれます。

そこで、今回は町工場で比較的活用しやすい補助金・助成金の情報を集めてみましたので、その内容を確認して自社にマッチした補助金・助成金があれば、チャレンジしてみても良いかもしれません。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

まずは、本命の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金」です。ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業等が取り組む革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援することを目的としています。設備投資を行って革新的に生産効率を高めたいと考えている事業者の方は、この補助金は3か月ごとに公募があり、使い勝手がよいので利用してみても良いかもしれません。

実施機関 経済産業省(中小企業庁)
公募期間 2021年9月~2021年11月頃の予定(第8次)
補助金額、補助率
  • 一般型:~1,000万円 補助率 1/2(中小企業)、2/3(小規模企業)、2/3(低感染リスク型ビジネス枠)
  • グローバル展開型:補助額 ~3,000万円 補助率 1/2(中小企業)、2/3(小規模企業)
補助対象経費 機械装置・システム構築費、外注費、クラウドサービス利用料、技術導入費等(低感染リスク型のみ広告宣伝費・販売促進費も対象)
主要申請要件
  • 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする
ホームページ等
その他

 

事業再構築補助金

次は、事業再構築補助金です。この補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業等の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。コロナの影響がかなりあり、思い切って事業の舵をきる、大きな経営方針の変更に活用できる補助金であり、今年1年の時限措置と思われますので、利用される方は早めに申請することをお勧めします。他の補助金と比較して認定経営革新等認定支援機関が確認すること、建設費が利用できることが特徴的です。

実施機関 経済産業省(中小企業庁)
公募期間 2021年7月30日(金) ~ 2021年9月17日(金)まで(予定)
補助金額、補助率 補助金額(中小企業者等、中堅企業等共)
【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
【従業員数51人以上】100万円~8,000万円補助率
中小企業者等 2/3 (6,000万円超の部分は1/2)
中堅企業等  1/2 (4,000万円超の部分は1/3)
補助対象経費 建物費、機械装置・システム構築費、広告宣伝・販売促進費等
主要申請要件
  • 売上、又は付加価値額が減っている
  • 事業再構築に取り組む
  • 認定支援機関と事業計画を策定する
ホームページ等
その他
  • 中小企業(卒業枠):補助額 6,000万円超~1億円 補助率 2/3
  • 中堅企業(グローバルV字回復枠):補助額 8,000万円超~1億円 補助率 1/2
  • 緊急事態宣言特別枠:補助率は、中小企業者等 3/4、中堅企業等 2/3
    <補助額>
    【従業員数5人以下】 100  ~ 500 万円
    【従業員数6~20 人】100  ~ 1,000 万円
    【従業員数21人以上】100 ~ 1,500万円

最低賃金枠:補助率は、中小企業者等 3/4、中堅企業等 2/3
<補助額>
【従業員数5人以下】 100  ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100  ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】100 ~ 1,500万円

明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業

次は、通称“明日にチャレンジ助成金”です。この助成金は、都内産業の活性化に向け、受注型中小企業の技術・経営基盤の強化を図るため、受注型中小企業(下請企業)を対象として、自社の技術・サービスの高度化・高付加価値化に向けた技術開発等の取組を支援することを目的としています。この助成金は東京都内の事業者に限定されており、一般区分だと2000万円で補助率も2/3と高いので、ぜひ利用したいところではありますが、競争率が高くもの補助よりも採択率は低く、難易度は高いです。申請を考えている方は、信頼できる補助金の専門家に依頼することをお勧めします。

実施機関 東京都中小企業団体中央会
公募期間 2021年3月1日~2021年4月9日(第1回公募終了)、第2回公募は2021年度後半に予定
補助金額、補助率
  • 小規模企業区分:~1,000万円以内 補助率 2/3以内
  • 一般区分:~2,000万円以内 補助率 2/3以内
補助対象経費 原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託・外注加工費、展示会出展・広告費、技術指導受入れ費、産業財産権出願・導入費
申請要件 【業種区分】

  1. ものづくり区分
    • 自社の技術の高度化・高付加価値化を図る計画を有し、日本標準産業分類において「大分類 E 製造業」に該当する事業者
  2. 受託サービス区分
    • 自社のサービスの高度化・高付加価値化を図る計画を有し、日本標準産業分類において「大分類 E 製造業」に該当する以外の事業者
      (この区分には、大分類E製造業に該当する事業者は申請できません。)
ホームページ等
その他

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業

次は、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業です。この助成金は、変化・変革に正面から向き合い、先端技術を活用して持続的発展を目指す中小企業者等が、更なる発展に向けた競争力の強化、デジタルトランスフォーメーションの推進、都市課題の解決に貢献し、国内外において市場の拡大が期待される産業分野におけるイノベーションの推進、後継者による新たな取組みに必要となる機械設備等を新たに導入するための経費の一部を助成することを目的としています。補助金額は1億円、補助率は1/2~2/3となっており、大掛かりな機械設備を導入する場合、大変魅力ですが、補助金が大きい代わりに採択率もかなり低く、最難関の補助金となっております。この補助金も申請を考えている方は、信頼できる補助金の専門家に依頼することをお勧めします。

実施機関 東京都中小企業振興公社
公募期間 2021年6月1日~2021年6月8日(第1回公募終了)、第2回公募は2021年後半を予定
補助金額、補助率
  1. 競争力強化:中小企業者~1億円以内 補助率 1/2以内
    小規模企業者~3000万円以内、補助率2/3以内
  2. DX推進:~1億円以内 補助率 2/3以内
  3. イノベーション:~1億円以内 補助率 2/3以内
  4. 後継者チャレンジ:~1億円以内 補助率 2/3以内
補助対象経費 機械装置、器具備品、ソフトウェアの新たな導入、搬入・据付等に要する経費
助成対象事業
  1. 競争力強化
    • 更なる発展に向けて競争力強化を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業
  2. DX推進
    • IoT、AI、ロボット等のデジタル技術の活用により、新しい製品・サービスの構築や既存ビジネスの変革を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業
  3. イノベーション
    • 都市課題の解決に貢献し、国内外において市場の拡大が期待される産業分野において、新事業活動に取り組むことで、イノベーション創出を図るために必要となる機械設備を新たに導入する事業
  4. 後継者チャレンジ
    • 事業承継を契機として、後継者による事業多角化や新たな経営課題の取り組みに必要となる機械設備を新たに導入する事業
ホームページ等
その他

小規模事業者持続化補助金

最後は、小規模事業者持続化補助金です。一般型と低感染リスク型にわかれます。
一般型は、小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的としています。
低感染リスク型は、小規模事業者が経営計画及び補助事業計画を作成して取り組む、感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組を支援するものです。この補助金は、補助金額は少ないものの採択率が高く、主に販売促進・販路開拓等に活用できるのが特徴です。初めて補助金にチャレンジする事業者にはお勧めです。

実施機関 商工会議所、中小企業基盤整備機構
公募期間 ・一般型(3月、6月、10月、2月)

・低感染リスク型(3月、5月、7月、9月、11月、1月)

補助金額、補助率 ・一般型:~50万円以内 補助率 2/3以内

・低感染リスク型:~100万円以内 補助率 3/4以内(補助対象経費のうち1/4を上限として感染防止対策を支援)

補助対象経費 ・①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④開発費、⑤資料購入費、⑥雑役務費、⑦借料、⑧専門家謝金、⑨設備処分費、⑩委託費、⑪外注費、⑫感染防止対策費(低感染リスク型のみ)、⑬旅費(一般型のみ)
補助対象者 ・商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる「小規模事業者」及び、一定の要件を満たした特定非営利活動法人
対象となる事業 ・策定した「経営計画」に基づき、商工会議所の支援を受けながら実施する、地道な販路開拓等(生産性向上)のための取組であること。あるいは、地道な販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること
ホームページ等 ・小規模事業者持続化補助金(一般型)

https://r1.jizokukahojokin.info/ )

・小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)

https://www.jizokuka-post-corona.jp/

 

最後に補助金の概要がわかったので、この補助金にあわせて事業計画を策定して申請しよう!と思われる方、実は順番が違います。自社の“あるべき姿に近づける”ために事業計画をたてて、その事業計画を実現するために補助金を活用することが正しい順序だと思います。ぜひ、補助金ありきの考えは改め、事業計画ありきでいきましょう!

この記事の著者

徳田進

徳田進3Willsコンサルティング 代表 /中小企業診断士 /経営革新等支援機関

熊本県出身。上場企業の電機メーカーに入社後、約30年間のわたり研究開発部門の企画スタッフとして、研究戦略や研究リソース計画の策定等の業務を従事。また、研究開発の新規事業のビジネスプランを作成し、フィージビリティスタディ等の事業化支援を実施。現在は、経営コンサルタントとして中小企業を中心とした経営戦略支援、事業計画支援、資金繰り改善支援、新規事業支援などを行っている。

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