令和4年度(2022年4月以降)の事業再構築補助金の概要説明(2)

令和4年度(2022年4月以降)の事業再構築補助金の概要説明(2)

今回は、令和4年度(2022年4月以降)の事業再構築補助金の概要説明の2回目です。
第2回目は、補助金の申請類型の変更について、です。

第1回目(済み):来年度の補助金の予算、スケジュール等について
第2回目(今回):補助金の申請類型の変更について
第3回目(次回):その他の運用の変更について

【回復・再生応援枠の創設】
それでは、補助金の申請類型の変更、その1です。
回復・再生応援枠が新設され、以下の特徴があります。
緊急事態宣言特別枠の代わりですが、更に主要設備の変更を求めない等の要件が緩和され、利用しやすい内容となっています。

業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者を対象として「回復・再生応援枠」を新設し、最大1,500万円まで、中小企業については補助率を3/4に引き上げ(通常枠は2/3)手厚く支援する。
◆ 事業再構築指針の要件について、主要な設備の変更を求めないことといった緩和を行う。
◆ これに伴い緊急事態宣言特別枠は廃止する

回復・再生応援枠の対象となる事業者は、通常枠の申請要件に加え、以下の①又は②のどちらかを満たすこと、となっています。

2021年10月以降のいずれかの月の売上高が、対2020年又は2019年同月比で30%以上減少していること
再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること(詳細な要件は検討中)

補助上限額・補助率は、以下の通り、従業員数により異なります。

【グリーン成長枠の創設】
次は、補助金の申請類型の変更、その2です。
グリーン成長枠が新設され、以下の特徴があります。これは、卒業枠・グローバルV字回復枠の変わりではなく、まったくコンセプトが違う枠となります。

背景として、2020年10月に日本が宣言した「2050年カーボンニュートラル」を実現するために、今後の成長が期待される14分野の産業を選定し、高い目標を設けることで経済と環境の好循環を作っていく「グリーン成長戦略」が示されました。この事業再構築補助金にて、このグリーン成長戦略を後押しすることで、産業構造や社会経済に変革をもたらし、次なる大きな成長に繋げていくことが期待されます。

グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象に、補助上限額を最大1.5億円まで引き上げた新たな申請類型を創設する。売上高10%減少要件を課さない
◆ これに伴い卒業枠・グローバルV字回復枠は廃止する。

グリーン成長枠の対象となる事業者は、以下の要件を満たす必要があります。
高い付加価値率、グリーン成長戦略の14分野への取り組み等を、実施します。

①事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること(補助額3,000万円超は金融機関も必須)
②補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均5.0%以上増加又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均5.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること(※通常はそれぞれ年率平均3.0%以上増加)
グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の一定割合以上に対する人材育成をあわせて行うこと

補助上限額・補助率については、以下の通りとなりますが、特筆すべきは、※返済要件なし ということです。この枠の分野は、新規事業へのチャレンジの難易度が高く、目標をクリアできなかったり、事業が失敗しても補助金返済の必要はない、ということです。

以上が補助金の概要説明その2 ”補助金の申請類型の変更について” でした。来年度から新たな枠が創設され、要件が緩和されていますので、会社の事業の方向性にフィットする場合は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

この記事の著者

徳田進

徳田進3Willsコンサルティング 代表/プロコン補助金.com共同代表/中小企業診断士/経営革新等支援機関

熊本県出身。上場企業の電機メーカーに入社後、約30年間のわたり研究開発部門の企画スタッフとして、研究戦略や研究リソース計画の策定等の業務を従事。また、研究開発の新規事業のビジネスプランを作成し、フィージビリティスタディ等の事業化支援を実施。現在は、経営コンサルタントとして中小企業を中心とした経営戦略支援、事業計画支援、資金繰り改善支援、新規事業支援などを行っている。

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