オンリーワンの付加価値を埋め込む独自の印刷技術(有限会社小堀加工所)

困難にチャレンジすることで磨かれた高い印刷技術力

東京都葛飾区で創業50年以上の歴史を持つ有限会社小堀加工所は、化粧品ボトルやさまざまな販促ノベルティ品、完成済みの電化製品、イベントグッズ、プラスチックカップ、タンブラー、水筒、文具といった印刷が困難な曲面体への高品質なシルクスクリーン印刷加工を得意としています。さらに、新たな印刷技術の研究開発にも積極的に取り組んでいます。色位置合わせに高度な技術を要する「多色印刷」や、同社が得意とする「シルクスクリーン印刷」と「昇華転写印刷」と「独自の乾燥システム」を組み合わせた「スタックプリント印刷」技術を独自開発し、ガラスやステンレス、陶器への昇華転写印刷を実現しています。

得意とする曲面印刷の一例

 

つなぎ目のない360°エンドレス印刷

シルクスクリーン印刷は、印刷版の上に設けた細かな穴を通じてインクを対象物に擦り付ける印刷技術です。小堀加工所では「回転シルクスクリーン印刷」を行っており、機械にセットされた版の下に印刷対象の製品を一つずつ取り付け、手作業でぐるりと回転させながら印刷を行います。印刷対象物の形状や印刷するデザインの寸法にあわせて加工装置を正確に調整する必要があり、豊富な知識と経験が求められます。特に、同社の独自技術が光るのが、「つなぎ目のない360°エンドレス印刷」です。カップ表面を一周する印刷でも、印刷の始点と終点が見えないほどの高精度な仕上がりを実現しており、その均一性と美しさが顧客に高く評価されています。

一周してもつなぎ目の見えない360°エンドレス印刷

 

色再現へのこだわり・徹底した品質管理

印刷において色の再現は非常に重要な要素です。小堀加工所では、白や黒といった基本色に加え、DIC番号やPANTONE番号などによる色指定、印刷済みのサンプルを参考にした色指定にもきめ細かく対応しています。色濃く着色されたガラス瓶など、下地色の影響を受けやすい素材に対しても長年の経験とノウハウを生かして最適なインク調色を施しています。

印刷最終工程では、素材の違いに応じて緻密に設定された温度・時間でインクを乾燥させ、しっかりと定着させます。インクの定着性を確認するための剥離検査は30分ごとに実施します。さらに、すべての製品で全数検品を行う徹底した品質管理が同社の高い評価を支えています。

要求される色の再現に決して妥協はない


小堀加工所は、多様な素材と複雑な形状に対応し、高精度・高品質での印刷を実現するため、長年にわたり技術開発を継続しノウハウの蓄積を行ってきました。その結果、他社では実現しにくい案件や高い技術力を求められる案件にも柔軟に対応できる体制を整えています。

この記事の著者

大野秀敏

大野秀敏中小企業診断士

2023年中小企業診断士登録。国立大学教員兼診断士として、大学研究成果の事業化支援や産学連携プロジェクトなどに力を注いでいる。

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