細さを極めたセンタレス加工技術(株式会社アルファーテック)

「もっと早く出会いたかった」

小径精密部品の加工技術を有し、お客様の不可能を可能にしてきた株式会社アルファーテック。1989年の創業以来、マイクロサイズのセンタレス加工に特化し、加工困難といわれる材料や他社では実現できなかった極細サイズの加工を得意とし、お客様からの信頼も厚い。本稿では、超硬合金コンタクトプローブ(電子部品の電極に接触させて導通検査を行うための検査器具)およびNiTi(ニッケルチタン)材料を用いた医療用カテーテルコアワイヤーを取り上げる。

 

他社を圧倒する技術力×材料メーカーとのパートナーシップ
同社の開発した超硬合金コンタクトプローブはQCDすべてにおいて他社をリードできる「匠の一品」である。超硬合金とは、硬質の金属炭化物の粉末を焼結して作られる合金であり、その名の通り非常に硬い材料である。硬いということは脆く、細い形状での加工が非常に難しい。したがって、日本国内で細い超硬合金をあつかうメーカーは限られてくるのだ。同社は協力関係を築いた材料メーカーとの連携で、細い超硬合金の材料を効率的に使用することができる。すなわち、初めから細い材料を使用して製品を加工するため、無駄が少なく、加工時間も短縮される。結果、低コストで迅速な製品加工が可能となり、納期の面でもお客様に大きなメリットを提供することができる。

超硬合金コンタクトプローブ(段付きタイプ)

医療を支える極細技術

NiTi(ニッケルチタン)材料を用いた医療用カテーテルコアワイヤーは令和4年度神奈川工業技術開発大賞の奨励賞を受賞した「匠の一品」だ。当該ワイヤーはロングテーパーという形状で、1,000mm超と非常に長く、先端に向けて細くなる設計である。ドクターが持つ手元はしっかりとしており、血管の奥の患部に到達する先端部はしなやかである。NiTi材料は形状記憶合金の一種で、生体適合性が高い低侵襲な素材として知られているが、NiTi材料を細くて長いワイヤーに加工することは非常に難しく、その技術を持つメーカーは限られる。また、テーパーとストレートの組み合わせで、途中で段差があるような複雑な形状への応用が可能である。

医療用カテーテルコアワイヤー

 

同社の強みは、技術力の高さに加えて、お客様の要望に対して迅速かつ柔軟に対応する姿勢にある。この姿勢こそが、時代のニーズを先読みし、独自の視点を生みだす要因となっている。柔軟な発想と対応により、同社は常に新しい価値を提供し続け、今後もお客様の期待を超える成果を創出していくだろう。

 

この記事の著者

則武卓磨

則武卓磨中小企業診断士

2023年中小企業診断士登録。大学院修了後、システムエンジニアとしてIT企業に入社。プロジェクトリーダとして、システムの要件定義から導入までを一貫して行い、高品質なシステム開発を常に心掛けている。お客さまの抱える悩みにじっくりと向き合い、最善の解決策をともに模索する良き相談相手を目指している。IT導入支援、若手起業家の創業支援、執筆活動を行う。

この著者の最新の記事

関連記事

ページ上部へ戻る