- 2025-9-23
- 匠
創業以来の「考える力」が結び付けた世界の“欲しい”と日本の技術
半世紀前に開発された日本発の独自技術で、途上国のインフラ整備に貢献する土壌硬化剤はSTEIN(シュタイン)。土の粒子は電気を帯びプラス・マイナスの引き合う力で結びついている。土90%に対し、シュタインを10%混ぜ合わせることで粒子間の結びつきを強固に、水と共にセメント反応を利用して適量の水を加えることで土が固まる。3日で大型トラックが通れる道路として利用できるようになる。

STEIN(土壌硬化剤)粉末の写真(Webサイトより)
きっかけは環境対策だった。鍍金工場から出る廃液などの重金属類により人の健康を害する物質の対策技術を探していた時に、同技術に出会ったのが最初だった。分野の違う土木技術となるが、日本でたくさん使用された技術が開発途上国で活躍できると想像ができた。道路にアスファルトを敷くことが当たり前になっている日本ではとうに忘れ去られた過去の技術だったが、雨季でも自動車が走れる舗装道路を必要とする途上国では土を固めて交通を確保するニーズがあると考えた。途上国の“欲しい”と半世紀前の日本の技術をマッチングさせることに躊躇はなかった。「我々が融合することで両者をつなぐ」。そう決意し合弁会社を設立。2019年にJICA(国際協力機構)の普及実証事業に採択され、海外青年協力隊出身の若手女性社員を中心に東南アジアやアフリカで、「知って」「触って」「使って」いただく活動を力強く進めている。

カンボジアでのシュタインによる道路舗装工事の前と後(久保金属株式会社提供)
夢は世界のインフラへの貢献
発展途上の国や地域では土を固めて交通を確保したいというニーズは極めて高い。海外企業との競争も激しいが、半世紀前の日本の道路施工技術が依然として使用されている事例は少なくない。「どこにでもある土を9割使うというのがニーズとマッチするようです」と久保社長は屈託がない。そして最後にこう付け加えた。「アンマッチをマッチングできた源泉は、創業以来の『考える』力でした」。いまは脱炭素が求められる時代。「半世紀前の技術に時代が追い付いてきたと思っています。これで世界のインフラを下支えできます」。久保金属の応接室には次代を見据えてアフリカ地図が貼られている。

夢はアジアからアフリカへと広がる(齋藤徹也撮影)








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