異素材でも同品質。ダイス鋼、銅、アルミ…材質が変わっても“同じ答え”を出せる研磨技術(株式会社蟹谷精密研削社)

難削材加工と一貫生産体制で、顧客の「困った」を解決するプロフェッショナル

神奈川県川崎市に本社・工場を構える株式会社蟹谷精密研削社は、創業から半世紀以上にわたり、金属の精密研削加工を専門としてきた技術者集団です。 同社は研磨加工のみならず、マシニングなどを活用した切削加工から仕上げまでを社内で完結させる「一貫加工体制」を強みとしています。特に、ステンレスや耐熱鋼、超硬合金といった「難削材」の加工を得意とし、半導体製造装置や航空宇宙関連など、高い精度が求められる分野で実績を重ねてきました。また、「人は宝」を経営哲学に掲げ、最新のDX(デジタルトランスフォーメーション)と熟練職人の「勘所」を融合させることで、属人化を防ぎながらも高品質なモノづくりを維持し続けています。

今回は、そんな同社の高度な研削技術と、素材への深い理解力が詰まった「匠の一品」を紹介します。

挑戦心と対応力を証明する「名刺代わり」の逸品たち。 

 

「断られる素材」をあえて削る 3種の異素材サンプル

今回ご紹介する「匠の一品」は、蟹谷精密研削社の真骨頂ともいえる、異素材に対する高精度研磨品です。通常、材質が変われば加工条件や砥石の選定は大きく異なりますが、同社では長年のノウハウにより、全く異なる材質であっても、同等の精度・品質で仕上げることが可能です。今回は、同社の技術の幅広さを象徴するダイス鋼・ 銅・アルミを使った「3種の異素材サンプル」を紹介します。これらは特定の機械部品ではありませんが、職人の挑戦心と対応力を証明する「名刺代わり」の逸品です。

匠の一品 ダイス鋼・ 銅・アルミを使った「3種の異素材サンプル


並べられた3つの金属ブロック。見た目の形状は全く同じですが、材質は「ダイス鋼」「銅」「アルミ」とバラバラです。実はこれらは、使われる用途も加工の難所も全く異なる素材です。

まず「ダイス鋼」とは、強度に優れた合金工具鋼のことで、高い耐久性が求められる部品に使われる非常に硬い素材です。硬度が高いため、通常の砥石では歯が立たず、加工には非常に時間がかかります。

次に「銅」は、通電性が良いため電気材料として不可欠な素材です。しかし、非常に柔らかいため変形しやすく、研磨の現場では扱いが難しい「レアな素材」とされています。

そして「アルミ」は、軽量で切削加工がしやすいため、世の中の多くの一般部品に使われています。旋盤やマシニングでの加工は一般的ですが、実は「研磨で精度を出す」となると話は別です。粘り気があるため砥石がすぐに「目詰まり」を起こしてしまい、敬遠されがちです。

「それぞれ用途も硬さも全く違いますが、図面にその材質が指定されている以上、逃げるわけにはいきません」

蟹谷精密研削社では、金型用の硬い素材から、デリケートな電気部品用の柔らかい素材まで、砥石や研削液を使い分けることで対応します。この3つのサンプルは、「どんな産業のどんな部品でも、同じ精度で仕上げてみせる」という自信の表れです。

砥石メーカーと密に連携し、材質ごとに最適な砥石と研削液を選定しています。試作を重ねることで、全く特性の異なる素材を、「同じ形」に仕上げてみせます。まさにプロの対応力が凝縮された製品と言えます。

この記事の著者

中坪孝太

中坪孝太中小企業診断士、1級販売士、豆腐マイスター、ソイオイルマイスター

東京都中小企業診断士協会所属。広報部、青年部に所属。日用品の製造会社において営業に従事し、営業所長としてマネジメント業務も行う。販路拡大や、お店の売り場づくり、棚割の作成などに取り組む。

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