製造業で効果的なWEBマーケティングを実施するには?(CONOC株式会社 国安正治)

製造業で効果的なWEBマーケティングを実施するには?

2020年、WEB広告はテレビの広告費を超えて新聞・雑誌・ラジオ・テレビのマスコミ4媒体の広告費に匹敵する程の市場規模となったことはご存知でしょうか?
大企業だけではなく中小企業も含めて多くの会社がWEB広告を活用しており、日本のWEB広告費は2.2兆円規模となっています1)。日本の総広告費の36%にもなります。WEB広告は潜在顧客や見込み顧客に対して効果的にアプローチできる広告手法であり、製造業においても売り上げ拡大のため、有効に活用すべきマーケティング施策の1つになってきていると言えます。

WEBマーケティングとは    

WEBマーケティングとはWEBを中心に行うマーケティング手法のことで、WEB広告を中心としたマーケティング施策です。WEB広告とは、バナー(画像)・テキストや記事、動画などを配信し、自社WEBサイトに人を集客、商品の販売や見込み客の獲得、資料ダウンロード数の促進また、ブランディングを促進するために活用される施策です2)

 

  • 押さえておきたい消費者行動モデルに応じたWEB広告

 

・消費者行動モデル(BtoB)

BtoCではAISAS(※)のような行動モデル[Attention(注目・認知)→Interest(興味・関心)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)]が示されていますが、BtoBはBtoCとは異なるビジネスの特徴があるため確定した行動モデルはありません。しかし、仮にBtoBにおける購買行動モデルを分けるならば、Problem(取り組む課題の決定)→Solution(解決方法の発見)→Inspection(検証)→Consent(同意)→Buy(購買)の5ステップに分けることができます。

 ※AISAS(アイサス)の法則とは、マーケティング用語で消費者が商品やサービスを購入するまでの行動プロセスを5段階で表したもの3)

では、代表的なWEB広告手法をご紹介します。
上記の行動モデルに応じて適した手法を活用し有効な施策につなげましょう。

 

WEB広告の種類

 

  • リスティング広告(今回)
  • SEO(Search Engine Optimization)
  • ディスプレイ広告
  • リターゲティング広告
  • アフィリエイト広告
  • ネイティブ広告
  • 広告・バナー広告
  • 記事広告
  • リワード広告

 

このように代表的なWEB広告手法がいくつかあるなかで、ユーザーが能動的に検索して情報を入手するという検索行動にアプローチする手法として、リスティング広告とSEO対策が重視されています。

今回はリスティング広告について解説します。

 

リスティング広告とは

リスティング広告とは、GoogleやYahooなどの検索エンジンでユーザーが検索したキーワード(「製造業 東京」など)に連動して掲載される広告です。検索連動型広告(検索広告)やPPC(Pay Per Click)とも呼ばれ、広告がクリックされると費用が発生します4)

 

  • 決めること
「目的」      →例)問い合わせ件数増加、リード獲得、商品購入数増加
「ターゲット」   →例)BtoB
「配信スケジュール」→例)月曜日8:00~20:00
「配信先」     →例)PCとSP(スマートフォン)
「配信媒体」    →Google、Yahoo
「配信エリア」   →例)日本/東京都
「キーワード」   →例)製造業、製造業 東京
「タイトル&ディスクリプション」(TD)→広告タイトルや広告文

どの項目も配信するために必要な項目です。明確に方向性を決めることで成果につながる可能性があり、これを怠るとクリックされない、またはクリックされても、購入件数が増えないなど広告の効果が得られにくくなります。

 

目的とターゲットが決定したら、リスティング広告を開始するために最も重要であるキーワードとタイトル&ディスクリプション(TD)を作成します。

 

  • キーワード

キーワードとは、ユーザーが検索している語句と広告を一致させるために使用される単語やフレーズです。関連するキーワードを掛け合わせてマッチタイプ(完全一致やフレーズ一致)と組み合わせることで、ユーザーが検索した際、自社の広告を表示することが出来ます5)

 

  • 「タイトル&ディスクリプション」(TD)

TDとは、タイトルと広告文のことです。

タイトルはユーザーの検索結果画面に表示される広告の中のクリックできる青い太字のことです。殆どのユーザーはタイトルを読んで自分が探している内容かどうか判断します。

広告文はタイトルの下にある細字の文章のことで、タイトルより細かい説明やアピールをする文章です。また、リスティング広告には広告ランクというものがあり、広告ランクを上げるのにも重要なものになります。

 

リンク先の設定は自社サイト?ランディングページ(LP)?

広告を経由して初めて自社サイトに訪れたユーザーが得たい情報を商品説明ページ等ですべて得ることができれば理想的ですが、実際には必要な情報が見やすく整理されてはいるものの、構成が分かりづらくユーザーの理解を得られないケースが多く見受けられます。これでは、せっかく広告に投資をしてユーザーをサイトに連れてきても十分な営業効果は得られません。

そのため、広告を経由してユーザーが訪れる自社サイトのリンク先は、初めて見ても自社の製品の良さや他社製品との違い、メリット等が分かりやすい構成であることが重要です。

さらに、理解を深めたユーザーがスムーズに問い合わせや資料請求といった次のアクションを起こしやすい点も広告効果を高めるポイントになってきます。

こちらも別の機会にご紹介できればと思います。

 

 

最後に


これまでご説明した通り、BtoB業界・製造業においても活用するポイントを踏まえればWEB広告は有効な施策です。

ただし、WEB広告で自社製品への問い合わせや資料請求といったリードを獲得することができたとしても、その後の営業活動へ転換できなければ意味がありません。
BtoB業界・製造業は、リード獲得→受注可否→見積→契約といったように長いリードタイムを経て受注まで到達する流れとなることが多いため、リード獲得以降、ユーザーとの関係をどのように構築するかといったことも視野にいれて、CRM(カスタマーリレーションシップマネージメント)施策と連携していくこともBtoB業界においては重要なマーケティング施策になってきます。

WEB広告はあくまで新規顧客リードを獲得する一つの施策となりますので、他にも有効な施策を試しながら自社にとって最も効果的な手法を見つけていただければと思います。


この記事の著者

国安正治

国安正治CONOC株式会社 代表取締役社長

大手WEB専業広告代理店にて、アカウントプランナーを16年経験し独立。 WEBマーケティング戦略立案から実行、分析・効果検証までのトータルソリューションにおける強みを持ち、 金融・教育・BtoB・製造業のWEBマーケティングに精通。 趣味は飲み会とサッカーとカラオケ(天体観測)。

関連記事

ページ上部へ戻る