強みの銀ロウ付けを活かした総合力で顧客ニーズに幅広く対応(株式会社佐藤製作所)

多世代の職人チームで細やかに対応

株式会社佐藤製作所は、目黒区の学芸大学駅から徒歩5分、商店街の中に工場を有する、昭和33年創業の金属加工会社です。今や対応できる工場が減少している、職人の手作業による銀ロウ付けの技術を強みに、加工難易度が高い製品、微小部品、高品質品など多様なニーズに1個からの小ロットで対応しています。

工場内には、汎用旋盤、NC旋盤、汎用フライス盤、またシャーリングマシンなど様々な加工機械も備えており、銀ロウ付けだけでなく幅広い金属加工に対応し、接合から組立まで一貫して請け負うことも可能です。

この10年ほどで現場には若手・女性の職人が増え、社員間のコミュニケーションも活発になり、技術を伝承し職人を育てる風土が醸成されています。

同社の一番の強みである銀ロウ付けは主に機械の内部部品などで用いられるため、日常生活の中であまり目立つことはありません。しかし人々が普段直接・間接的に利用している様々なものの中で、その技術が活躍しています。

今回は、同社の持つ様々な技術を銀ロウ付けで繋いだ、隠れた匠の一品をご紹介します。

 

小さな異素材パーツを美しく繋ぐ銀ロウ付け加工

銀ロウ付けは、ガスバーナーを使い、銀のロウ材を高温で溶かし固めることで銅合金を接合する技術。一般的な溶接と異なり接合する母体を溶かさないため、微小な部品でも変形させることなくきれいに接合することができます。

また、溶かしたロウ材で部品の隙間を密閉するため内部の気密性が高く保たれ、液体や気体も外部に漏らさず通すことができます。

スマホやパソコンなどのデバイスから、冷蔵庫などの家電、また大型の機械設備といった、電気や熱を発する機器によく使われています。

パーツ製作、パイプ曲げ加工、ロウ付けの技術を集約

今回紹介するのは、機器の内部で冷却放熱を行うヒートパイプ。

細かく曲げられた細いパイプに水を通すことで、熱を冷却するための部品です。ステンレスと真鍮という異なる材質の小さなパーツが、銀ロウ付けで接合されています。

ロウ付けだけでなく、真鍮のブロックパーツの製作、そして難易度の高いパイプ曲げも同社で行っており、掌に乗るほどの小ぶりな部品に同社の熟練の技術が集約されています。

真鍮のブロックパーツに3カ所接合されたパイプは内部で繋がり、そこに水が通されるということですから、非常に細かな作業であることが分かります。

この技術を絶やさず、お客様が安心して継続的な注文を出せるよう、意欲のある若手職人たちが日々技に磨きをかけています。

(撮影:長山萌音)

この記事の著者

青柳紗千子

青柳紗千子オフィス アオ・インサイツ代表 中小企業診断士

大学卒業後、服飾資材専門商社、アパレル輸入卸企業にて計15年間営業として勤務。製造から小売まで、国内外サプライチェーンのあらゆる現場に立ち会う。その後、行政の男女共同参画分野職員を経て、中小企業診断士として独立開業。「人権経営」を提唱し、あらゆる人が能力を発揮できる強い組織づくりを支援している。

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