45年を超える実績と職人技が支える粉体塗装(大雄塗装 インタビュー①)

1979年の創業以来、株式会社大雄塗装は粉体塗装を主力に、多様な金属製品の仕上げを支えてきた。銀行の建具、防災部品、オフィス什器、電気ダクトなど、私たちの身近な場所で使われる部材に、同社の技術が生きている。
第1回は、長年の実績に裏打ちされた会社の歩みと強みについて、代表取締役の神田健次氏に伺った。

工場前の神田代表取締役

 

45年を超えて積み重ねてきた、大雄塗装の歩み

―まずは御社の事業内容について教えてください。

神田氏:当社は粉体塗装を中心に、いろいろな金属製品の塗装をやっています。長く続いているのは、銀行店舗やビルの内装で使われる建具ですね。自動ドアの枠とか、ガラスの枠とか、そういう部分です。ほかにも防災関係の部品、オフィス什器や商品陳列棚の足、棚板、ビルの中で電線を通す金属ダクトなどもやっています。幅広い産業分野を支えている仕事だと思っています。

 

―かなり多様な分野を支えているのですね。

神田氏:そうですね。同じ塗装でも、製品によって役割が全然違うんです。建具のように人の目に触れるものは外観の美しさが求められますし、ダクトのような建物の中で使われるものは、耐久性や安定した品質が求められます。しかも、サイズも小物から長尺物まであります。そうした求められる役割に応じたものを長年塗装してきたことで結果的に幅広い分野に対応できるようになりました。

 

―創業当時から粉体塗装だったのでしょうか。

神田氏:はい。当社の始まりも粉体塗装だったと聞いています。先々代が1979年に元々あった粉体塗装工場と設備を買って始めたようで、工場には当時の粉体塗装機が残っていたりもします。先々代が塗装設備の営業の仕事をしていたので、そのつながりでお客様との関係も広がっていったのだと思います。

会社の歩みを語る神田代表取締役

 

 

粉体塗装を軸に多様な案件に応える対応力

―粉体塗装の特徴を教えてください。

神田氏:簡単に言えば、粉の塗料を静電気で付着させて、それを焼き付けて硬化させる塗装です。液体の塗料を用いる溶剤塗装に比べると、膜厚をしっかり付けやすく、耐久性に優れています。溶剤塗装の場合は、膜厚が10から20ミクロンが標準であるのに対して、粉体塗装は薄くても40から50ミクロンあるので、耐候性や防錆性に優れ、紫外線にも強いため長持ちしやすいといった特徴があります。また、溶剤塗料のように有機溶剤を用いないため、人体や環境に優しいといった特徴もあります。

 

―溶剤塗装と比べて、扱いやすさもあるのでしょうか。

神田氏:あります。溶剤塗装は塗りすぎると垂れが生じやすいんですが、粉体塗装はそうした不具合が起こりにくいのが特徴です。もちろん、ものすごく厚く塗れば焼付後の表面に凹凸が出ることはあります。ただ、溶剤塗装のように大きく垂れることは起こりにくいので、そうした扱いやすさはあります。あと、シンナーのような強いにおいが少ないのも、作業環境としては大きいと思います。

 

―溶剤塗装も併用されているのですか。

神田氏:はい。基本的には粉体塗装が中心ですが、お客様の要望や用途によっては溶剤塗装も一部行います。例えば高温環境で使用される製品には耐熱塗料が必要になるため、その場合は溶剤塗装で対応します。わが社では粉体塗装が主力ですが、製品の用途に合わせて最適な方法を選ぶことが大事ですね。

 

―対応サイズもかなり幅広いですね。

神田氏:そうですね。小物から長尺物、中大型物まで対応しています。当社では、製品をコンベアラインに取り付けて、洗浄、乾燥、塗装、焼付までを一連の工程で進めていますが、コンベアラインでは長さで3メートル程度、幅は1.8メートル程度まで対応可能です。これを超えるサイズの製品についても、人の手を加えながら対応することがあります。製品ごとに形状や材質が異なるため、コンベアへの取り付け方や塗装方法も変わってきます。さらに、色についても100色以上対応可能ですので、お客様の要望に合わせて柔軟に対応しています。

 

―その柔軟性が、受注につながっているのでしょうか。

神田氏:そう思います。同じ塗装でも、製品や用途によって求められる条件は全く違います。その都度、どうすれば最適な仕上がりになるかを考えて対応することで、信頼を積み重ねてきました。 

粉体塗装を行う職人


長年の信頼を支える品質

―御社の強みはどこにあると感じていますか。

神田氏:設備ももちろん大事ですが、それだけではないと思います。やっぱり、工程全体をどう見るかですね。製品をコンベアにどう取り付けるか、洗浄、水切り乾燥、塗り方、焼付、最後の確認まで全部つながっています。どこか一つだけ良くてもダメで、全体を見て判断することが大事なんです。案件ごとに求められる条件が違うので、そのたびにどうやるのが一番いいかを考えます。そういう意味で、現場の判断が品質を支えている会社だと思います。

 

―現場の判断で品質が決まるということですね。

神田氏:その通りです。例えば洗浄が不十分であれば塗装の密着性に影響しますし、コンベアへの取り付け方によっても塗りやすさや仕上がりは変わります。塗装そのものの技術だけでなく、前後の工程も含めてトータルで品質をつくっていく必要があります。同じように見える製品でも、実際には条件が一つひとつ異なります。そのため、マニュアル通りにやるだけでは対応できない場面も多いです。そういうときに、現場でどう判断するか、どう工夫するかが品質に直結します。

 

―長年の信頼も、そうした積み重ねの結果なのですね。

神田氏:そうですね。お客様からの要望は年々多様化していますが、それに対して一つひとつ丁寧に対応していくことが大切です。結果として、それが信頼につながり、長くお付き合いいただけているのだと思います。

45年を超える実績は、ただ長く続いてきたということだけではない。粉体塗装という技術を軸に、多様な案件に応え、現場で考え、品質を積み重ねてきた歴史でもある。次回は、その会社を受け継いだ神田代表取締役が、大事にしてきたことに迫る。

工場のコンベアラインと製品


会社名:株式会社大雄塗装

業種   粉体塗装、溶剤塗装

設立年月          昭和54年3月9日

資本金              1,000万円

従業員数          10人

代表者              代表取締役 神田 健次

本社所在地      神奈川県相模原市中央区上溝3961番地

電話番号          042-762-0522

公式HP           https://daiyu-tosou.com

関連記事

ページ上部へ戻る